親が認知症になると、お金の管理について、どのようなトラブルが起こるのでしょうか。
実は、 認知症によって判断能力が低下してしまうと、金銭トラブルが起こったり、口座が凍結されたりするおそれがあります 。
本記事では、認知症になると起こり得る具体的な金銭トラブルの事例や、認知症になる前に対策しておきたい財産管理の方法など、詳しく解説します。
この記事の要約
- 認知症になると、認知機能の低下により自身でのお金の管理が難しくなる
- 認知症になると、銀行預金などの口座が凍結されるおそれがある
- 親の認知症を見据えたお金の管理方法は家族信託がおすすめ
- 認知症になる前に、専門家に早めの相談をすることが安心
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認知症になると起こり得る3つの金銭トラブル事例
認知症になると、次のような金銭トラブルが起こる可能性があります。
認知症になると起こり得る金銭トラブル事例
- 自分で金銭管理ができなくなる
- お金に執着する言動がでるおそれがある
- 特殊詐欺の被害にあうおそれがある
それぞれ具体的に見ていきましょう。
1.自分で金銭管理ができなくなる
認知症になると、日常的な金銭管理を自分でできなくなるおそれがあります。
認知機能が低下するため、計画的に物事を考えたり判断したりすることが難しくなるためです。
主な事例として、以下のような例が挙げられます。
金銭管理にまつわるトラブル例
- 年金を支給日にすべて使ってしまう
- 何度も同じ商品を買ってしまう
- 手元に現金があるのにも関わらず、たびたび預金を引き出してしまう
これまで当たり前にできていたお金の管理ができなくなってしまう恐れがあります。
認知症になってしまった後は、状況に応じて、買い物の付き添いや定期的な在庫確認といった、ご家族の協力が必要となることもあるでしょう。

2.お金に執着する言動が見られる場合がある
認知症になると、お金に執着するような言動が見られる場合があります。
特に 「金品を盗まれた」などと思い込む「物盗られ妄想」は、アルツハイマー型認知症の典型的な症状だと言われています。
「物を盗られた」などの妄想の多くは、保管場所を忘れてしまうことが主な原因だと考えられています。
対策として、親子で通帳や財布などの保管場所を把握しておくことがおすすめされています。

3.特殊詐欺の被害に遭う危険性がある
認知症になると、特殊詐欺の被害に遭うおそれがあります。
判断能力の低下によって、自分にとって必要か否かを正確に判断できないため、先方の話のままに契約してしまう場合があるためです。
電話勧誘から訪問販売までさまざまな手法があり、中には認知症の方を狙った、悪質な事業者も存在するため注意が必要です。

電話に録音機能をつけたり、見知らぬ訪問者はインターホン越しに対応するよう徹底したり、あらかじめ対策をしておくことがおすすめです。
困るのは金銭トラブルだけじゃない!認知症による口座凍結
親が認知症になり判断能力が喪失されると、本人の財産保護のため、 本人名義の銀行口座が凍結されるリスク(資産凍結) もあります。
銀行口座が凍結されると家族はもちろん、本人でさえも預金の引き出しや窓口での手続きができなくなります。
認知症による資産凍結は、一般に悪徳業者や詐欺の被害などから守るためでもあります。
例えば、判断能力が低下した状態で、自由に預金口座からの引き出しや不動産の売買契約ができると、次のような事態が起こるおそれがあります。
詐欺被害の例
- 振り込め詐欺の被害にあう
- 不当な不動産売買契約を結ばされる
- 不要な商品やサービスの契約を結ばされる

ただし、あらかじめ家族信託などの対策しておくことで、本人が認知症を発症しても資産凍結の回避が可能です。
銀行口座が凍結されてお金が動かせなくなる前に、親のお金の管理方法について事前に家族で対策を打っておくことが重要です。
親の認知症を見据えたお金の管理方法
親が認知症になる前にできる主な対策は、以下のとおりです。
親の認知症になる前に考えたいお金の管理方法
- 家族信託を利用する
- 任意後見制度を利用する
- 銀行の資産承継制度や代理人カードを利用する
- 日常生活自立支援事業を利用する
制度の詳細や具体的な効果について、順番に解説します。
方法1.家族信託を利用する
親が認知症になっても、口座凍結を避け、子などの代理人がお金を管理する方法として「 家族信託 」があります。
家族信託とは、家族間で信託契約を結んで親が子に自分の財産管理を託す制度です。
親は財産管理を委託する「委託者」、子が財産管理を行う「受託者」となり、親のお金の管理を行います。

家族信託では一般的に「信託口口座」と呼ばれる、子が親のお金を管理するための専用の口座を作成します。
信託口口座は、家族信託で預けたお金を子が管理・運用する口座であるため、もし親が認知症になったとしても、口座凍結の心配はありません。
親の預金を信託口口座に移したうえで、子の判断で親の生活・介護・医療などに必要なお金を引き出したり、支払いをしたり、といったお金の管理を行えます。
・銀行預金だけでなく、自宅などの不動産や株式も資産凍結から守ることができる
・親の意向に沿って、家族が柔軟に財産の管理をすることができる
・成年後見制度と異なり、第三者の介入が原則ない
などのメリットから、家族信託は近年注目を集めています。
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方法2.任意後見制度を利用する
認知症に備えた事前対策として、 任意後見制度 の利用も効果的です。
任意後見制度とは、成年後見制度の一種で、判断能力が低下した際に、本人に代わってお金の管理や契約などを行う「任意後見人」をあらかじめ決めておく制度です。
本人の希望で弁護士や司法書士などの専門家のほか、家族を任意後見人に指定することもできます。

しかし、後見制度は本人の財産を守ることが前提です。
したがって、任意後見人の意思で「相続税対策として生前贈与をする」「孫のために預金を引き出す」といった「本人の財産が減る行為」は原則できません 。
また、任意後見制度では、任意後見人が任意後見契約の内容どおり、適正に仕事をしているかを監督する「任意監督人」という役割が存在します。
任意後見人は任意後見監督人に財産目録などを提出しなければならないため、仮に家族が後見人になっても、家族信託のような自由な財産管理を実現するのは難しい可能性があります。
加えて、任意後見監督人へ報酬の支払いが発生するため、本人の経済的な負担もあるという点に注意が必要です。
方法3.金融機関の資産承継制度や代理人カードを利用する
親の認知症に備えて、金融機関の「 資産承継制度 」や「 代理人カード(家族カード) 」などを利用するという方法もあります。
資産承継制度・代理人カードの制度の詳細と、注意点は下図のとおりです。

代理人カードは作成や手続きも簡単な場合があり、非常に便利です。
しかし、代理人カードを使用している間に本人の認知症が進行してしまうと、本人の口座にあるお金は動かせなくなるおそれがあるため、注意しましょう。
各制度でできることや、制度の名称は金融機関によって異なるため、詳しくはお使いの金融機関にお問い合わせください。
方法4. 日常生活自立支援事業を利用する
認知症になったときのことを見据えて、日常生活自立支援事業を利用してお金を管理するのも一つの方法です。
日常生活自立支援事業とは、各都道府県や指定都市の社会福祉協議会で実施されている事業です。
利用者本人と社会福祉協議会との間で利用契約を結び、「支援計画」に基づいてサービスが提供されます。
ただし、利用するには契約行為が必要なため、本人に契約内容が理解できるだけの判断能力と利用意思がなければなりません。
認知症によってすでに判断能力が低下している場合は、成年後見制度の検討が必要です。
ご利用の相談は、お住まいの地域の社会福祉協議会へお問い合わせください。
認知症によって口座凍結されたときの対処法
すでに認知症によって銀行口座が凍結されてしまった場合、凍結を解除する方法は以下の2つが考えられます。
口座凍結の解除方法
- 法定後見制度を利用する
- 銀行ごとに定められた制度を利用する
法定後見制度を利用する
認知症によって口座が凍結されてしまった場合、解除をするためには後見人を立てる必要があります。
後見人を立てる成年後見制度には、前述した「任意後見制度」のほか「法定後見制度」があり、口座が凍結されてしまった後に利用できる制度が「法定後見制度」です。
法定後見制度を利用し、口座凍結が解除されたのちには、本人に代わって後見人が財産を管理します。

法定後見制度の後見人は、本人の希望する人を選任できる任意後見制度とは異なり、家庭裁判所が選任します。
後見人に家族を希望することは可能ですが、その採択は家庭裁判所にゆだねられるため、必ずしも家族が後見人になれるとは限りません。
また、認知症になった本人や本人の財産を守ることが前提のため、財産の使用用途は生活費や介護・医療費用など「本人のため」のものに限られます。
家族などが本人のためを思って購入を検討しようとしても、許可がおりない場合もあるのです。
法定後見制度のメリットとデメリットは以下のとおりです。

金融機関ごとに定められた制度を利用する
金融機関によっては、認知症により判断能力の低下が見られても一定の基準を満たせば、預金の引き出しといった手続きが行える場合があります。
2021年2月に全国銀行協会によって「認知症患者の親族が本人のための預金を引き出すことに応じるべき場合がある」という指針が発表されました。
つまり、医療費や介護費をはじめとした認知症患者のために必要な預金の引き出しのみ、認められるケースがあるのです。
金融機関によって制度の詳細や判断能力の基準は異なるため、詳しくはご利用の金融機関に問い合わせください。
親が認知症になったときのお金の管理についての相談先
親が認知症になったときのお金の管理についての相談先は、以下のとおりです。
親が認知症になったときのお金の管理についての相談先
- 家族信託・生前対策の専門家
- 自治体
- 金融機関
それぞれ順番に見ていきましょう。
家族信託・生前対策の専門家
親が認知症になったときのお金の管理については、 家族信託・生前対策の専門家 への相談がおすすめです。
「家族信託」や「成年後見制度」など、ご家族の状況に合わせた提案をしてくれます。
具体的に、相談できる内容は以下のとおりです。
相談できる内容
- 親の預金を含む財産の管理方法
- 「家族信託」の利用に関するサポート
- 「成年後見制度」の利用に関するサポート
- 状況に合わせた最適な相続対策(家族信託・生前贈与・遺言書の作成・成年後見制度など)
ただし、柔軟に親の財産管理を行える「家族信託」は、 親の判断能力が完全になくなってしまうと契約を結べません 。
親が認知症になる前に、家族で財産や相続について話し合ったり、対策を施したりしておくことが重要です。
自治体
親が認知症になったときのお金の管理について、公的な機関に相談をしたい場合は、地域包括支援センターや社会福祉協議会などに相談しましょう。
例えば社会福祉協議会が行っている「日常生活自立支援事業」では、日々のお金の出し入れをサポートしたり、通帳を預かったりして、認知症の人がひとりでは難しいお金の管理についての支援をしてもらえます。
認知症の親のお金の管理について自治体に相談したい場合は、お住まいの地域の地域包括支援センターや社会福祉協議会に問い合わせをしましょう。
金融機関
金融機関によっては、親のお金の管理について相談を受け付けている場合があります。
代理人カードの発行や、金融機関の資産承継制度の利用を検討される場合は、商品の内容や手数料などが異なるため、ご利用の金融機関に直接相談しましょう。
ただし、サービスや制度の手続きをする際に、親の判断能力が疑われた場合、口座が凍結されてしまう可能性もあるため、注意が必要です。
口座凍結が心配な方は、まずは家族信託・生前対策の専門家に相談し「お金の管理についてどのように動けばよいか」アドバイスをもらうと良いでしょう。
親も子も元気なうちに認知症に備えたお金の管理対策を
親が認知症になったときを考えると、自身でお金の管理ができなくなったり、口座が凍結されるおそれがあったりと、悩みはつきないかと思います。
もし、銀行口座が凍結されてしまうと、法定後見制度を利用して後見人を申し立てるしか方法はありません。
しかし、認知症になる前ならば、家族信託や任意後見制度の利用など、選択肢が多くあります。
特に、家族信託では親の銀行口座の管理だけでなく、不動産や有価証券など幅広く柔軟に対応が可能です。
みなさまが元気なうちに家族間でお金の管理について話し合い、本人や家族の意向を反映した最適なお金の管理を目指して、今できることから行動を始めてみてはいかがでしょうか。
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認知症とお金の管理について悩まれているご家族に、専門家が丁寧に寄り添い、家族信託・成年後見・贈与などの様々な選択肢から、ご家族に最適なお金の管理方法を一緒に考えさせていただきます。
まずは資料請求や無料相談をご活用いただき、疑問の解消にお役立ていただければ幸いです。
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